すっかりご無沙汰だったのは『次元を超える』の撮影を終えたからであったのだ。あとは猛烈仕上げを経て公開はついに2025年!と浮かれていたら、すぐ豊田監督から連絡が入り、恒例のを撮りますという。「なにー!」と言いつつも解っている。絶対その時が来るのだ。『生きている。』『ここにいる。』に連なる〈次〉の始動となったのが『次元を超える』を撮り終えた今年六月。俗にいう『狼蘇山シリーズ』に平行して投下されてきた『渋川清彦演じる〈鉄平〉』の義挙のような行動に焦点を当てた作品である。すぐさま題名も伝えられた。その名も『すぐにゆく。』である。前からよく言っていることだが、豊田監督は、つねに旅をしている。旅と言っても放浪ではなく、もっと確かな事を掴みに行くのだ。そこが次の舞台となり、撮影場所は飛騨高山に決まった。飛騨高山はあたくしも大好きな場所。ゴールは独特な狼狛犬のいらっしゃる一宮水無神社になった。話しはずれるが水無神社の禰宜さんは切腹ピストルズの大ファン。そして豊田監督は法螺貝を吹くために何度も訪れている。(監督はいつのまにか各所で法螺貝を吹いてるうちにどんどん上達している。SNSでも法螺貝吹いてる投稿が多くて謎すぎるだろう)。
「よし!ではやろう!」志ある者たち10数人が、ぎゅっと移動車に乗り込み、事前の旅のルートをなぞるように移動しながら撮っていくロードムービーの始まりであった。ほぼ自然の中。天候変りやすく険しい場所や怪しい場所もたくさんあった。前作、撮影舞台となった栃木の〈にしかた有志の会〉も道具を作ったり集めたりの遠隔で協力した。そして今回は〈飛騨有志の会〉も誕生、現地での撮影に大協力してくれた。今回、豊田監督の元、撮影の柱となったのが『次元を超える』で衣裳デザインをした澤田石和寛(通称:さわかん)という大男である。身長はざっと3メートルぐらいある。・・・で細身の黒づくめ。この大男はまるで灯台か火の見櫓のようにありとあらゆる事をチェックしており、大胆かつ繊細な作業まで何から何までこなしてしまう。『次元を超える』の時からその仕事の範疇は肩書きを超えており、豊田監督からも絶大な信頼をされている。このような現場を見ていると、勿論彼だけではなく、それぞれ入ってくる入口の扉は違えども、ひとたび現場に入れば、肩書きを超えた大人たちの〈あーだこーだ〉やっている姿を世間の子供らにも是非みてもらいたいと思う。面白い。さて、そんな奴らの中でもう一人!待ってました!主演の渋川清彦もそこにいた。彼演じる鉄平は今回、五体投地(ごたいとうち)という修行をする。鉄平はずっとずっと躊躇なく身体を擦り切らせた。くわしくは語らないが、その姿にこちらは色々な感情をかきたてられる。圧巻!その真相は!?
・・・ということで、あとは本編を観ていただきてぇ。令和6年7月24日(水)!渋谷WWWXにて、毎年恒例の『狼蘇山例祭』!冒頭で上映となる『すぐにゆく。』の初公開!乞うご期待でありやす。
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