●6月17日(土)
昨夜泣いたという大工大に、天下のカチンコの件で皆が連絡を取ってる。
さぁ片づけの続きだんぞ!ヒルと一緒に濡れたままの袢纏やら作業服やら腐っちまうぞ―い。とりあえず、庭の漬け物用の大樽に井戸水汲んで、汚れた衣服を漬けた。見た目完全に漬け物。夕方から「ここにいる。」題字の制作。膝まで半紙に浸かる。
●6月18日(日)
題字は出来たぞ。デザイン大橋氏に展開。
●6月19日(月)
針谷畳屋、長机や椅子など各方面へ返却。布団返却でヒカル氏西方入り。車が無くなった大工大が、今年のど田舎にしかた祭りで上映会やろうと言い出す。タフなやつだ。それぞれが片付けながら16日の撮影の事を振り返る。まだ本編映像を見てないからその周りの出来事の話題となる。滝まで荷物を運んだ往復がつらかった、家帰ったら腹にヒルがくっついてて血を吸ってただったりの話し(笑)西方キャッツアイ☆めぐが発熱。寿ん三と理恵ちゃんが検査キットを持って来てくれた。あたくしは知っている。こいつはコロナじゃない。あたくしは知っている。今までも騒いだあげく、早産だと思ったらアイスの食い過ぎ、直腸がんだと思ったら切れ痔だった。
●6月20日(火)
キャッツアイが病院にも検査にいって当然陰性。別の用事で来てたいつもの顔と井戸端会議。まかないを出してくれたおみっちゃん、倒木の間際に、特製いなり寿司で人足を食い止めた張本人。撮影を振り返る世間話。キャッツが熱だから、あたくしは完全に主夫状態で、夕食を作って小童に喰わせ、バタバタと夜、空手の道場で気づいたのだ。先日の日曜の空手試合後、娘がヘッドギアをどこかに忘れて来てしまい、その事で騒動になった。道場師範に「押忍!押忍!」謝っていた時に、監督から電話だったので「押忍!」と出た。ポスターのクレジットの内容と順番についてなど。「例幣使街道連合」をクレジットに入れることにした。卍は入れない。「押忍!」今夜も日光結構!例幣使街道連合!置いてかれんなよ、そこんとこよろしく」そのまま空手の試合会場だったところに行って、近隣をパトロール。監督は都内の村上氏のところで早くも編集作業をはじめている。切腹ピストルズの曲について、このままいくか、何かを重ねるか、「まずは見てみて」、夜遅く編集途中の動画が送られてきた。無音の本編映像と初のご対面。無音でも充分最高!押忍!
●6月21日(水)
江戸部屋前の畑では、瀧口をはじめとし、おばちゃんたち、寿ん三、祐太などが、たまねぎ収穫をしまくっているのが見える。あたくしは残念ながら、いくつかの図案制作で机に拘束。平行して劇中クレジットについて、西方勢に確認。見えないところで準備など色々動いてくれた人々もいるのだが、撮影当日行けなかったからクレジットに入れないでと言う。さすが遠慮深い栃木人(笑)。本日は、幼い娘の誕生日で、プレゼントを買いにいったのだが、プラスチック製品や飾るものより、日々使う物にしろと履物に決定。
そんなことより「狼鳴門」レコーディングは7月1日(土)に決定!エンジニアはお馴染み葛西くん。夜は、7月末の毎年恒例の「狼蘇山例祭」に関する部品を制作した。
●6月22日(木)
「ここにいる。」プレスリリースの準備と、クラウドファンディングのパーツや毎年恒例7/24(月)渋谷WWWXでおこなわれる「狼蘇山例祭」の告知ビジュアルを制作。レコーディングは朝十時からと監督から連絡。法螺貝の宮下仁志(法名:宮下覚詮)氏も来るとのこと。この宮下さんは、切腹ピストルズの特別隊員みたいな存在で、豊田監督が切腹ピストルズに参加したときは監督でなく「映画くん」と呼ばれるのだが、この宮下さんも「修験くん」「法螺貝くん」だったかも(笑)。初めて会ったのは戸隠だ。修験の色々なキーワードを教わった。「破壊の日」の時だったっけ、とある映画館で法螺貝吹いたら、映写機飛んだ。この法螺貝とか修験とか、あたくしはあくまでも知ったかぶりな立ち位置だが、面白い話しや考え方満載なので、それだけでもこの日誌も埋まっちゃう。監督は法螺貝うまくなってる。今日はここまで。
●6月23日(金)
「ここにいる。」のティザー映像とプレスリリース、クラウドファンディング開始の発表。同時に、毎年恒例7月24日、渋谷WWWXでの「狼蘇山例祭」の告知。この恒例の日は、2020年にはオリンピック開催の日に対して設けられ、映画「破壊の日」の公開をぶつけたところから始まり、暦の上で「破壊の日」と呼ばれた。あの時コロナ禍でよくも練り歩きやったなと思う。豊田監督カメラ担いでの生中継で、渋谷の宮益坂上がった「宮益坂・御嶽神社」の渋川清彦シーンから始まり、切腹ピストルズが階段下で待ち受け(映画「狼煙が呼ぶ」のよう)、合流して演奏しながらスクランブル交差点を通過し、WWWXまでの「疫病退散」「破壊の日」の大練り歩きだった。すでに世間は自粛だったのだが、警備にあたる警察は久しぶりの大警備なのか楽しんでいたのを覚えている。その時の映像は、渋谷の人々が皆マスクをつけているという当時まだ違和感の強い光景だった。そんな日からこの日はもはや「例祭」になり、この度改めて「狼蘇山例祭」となる。今年は、「ここにいる。」初上映と舞台挨拶、京都からあの志人、そして切腹ピストルズ参上である。発表が出ると「待ってました!」の声が聞えた。だろう!
●6月24日(土)
「狼蘇山例祭」のチケット発売開始の日。
江戸部屋に来客、新潟の小千谷市片貝にある染物屋「紺仁」の松井一家である。切腹ピストルズや豊田組に関わる〈袢纏〉〈手ぬぐい〉などを引き受けてくれてる創業260年以上の大老舗だ。打ち合せ終わって、金崎の稲安食道に行く前に、監督んとこ寄った。昨夜遅く東京から帰ってきたので、お疲れのご様子。次の週末、電気屋・森下くん(ex:松波、現:blue blur)と祐太がエアコン取り付けに来るってよ~!を伝言しつつ、稲安行って、がま口・村門合流。稲安には豊田映画のポスターがべたべた貼ってある。雪駄屋・寿ん三とこ行って、山の中の大工大の薪小屋行って、大工大の親父の幸一さん(西方のイッセー尾形)と家族に倒木廃車の事を少しお詫びした。「紺仁」松井くんが置いていった冷やして食べる麩饅頭を家の冷蔵庫に入れたままだったので、夜いくつかの場所に配りに行ったが、監督んちの三個、空手帰りの子どもらとで食べちゃった。
●6月25日(日)
撮影の時の備品や領収の回収で、西方キャッツアイ☆メグと町内廻る。今回、倒木から命を救ったまかない担当のおみっちゃんちに行って、相変わらず秀逸な食事を振舞われてた。野菜豊富なスープ、バイク集団ナードのリーダー松くんの入れたアイスコーヒー、オリジナルドレッシングのかかった胡瓜の付け合わせ・・・素晴らしい・・・なんと久しぶりののんびりした日曜の時間だ。これを邪魔する奴はゆるさん。〈着信〉制作ヒカルくんからの電話である。この「ここにいる。」制作日誌を公開しなきゃと言う。月曜から、〈まえがき〉と、さかのぼった五月十八日付からの順次公開。今、そのことについてこの日誌を書いている。追いついたようななんだか時系列が変な感じ。帰って写真選んでまとめた後、監督に依頼されたいくつかの図案制作。
●6月26日(月)
この制作日誌の掲載がはじまる。ざまみろ。
●6月27日(火)
監督は「ここにいる。」アフレコ作業で東京に行っている。
●6月28日(水)
監督に依頼されたいくつかのデザインを渡す。北斗七星狼。
●6月29日(木)
今日は切腹ピストルズ隊員・泰三の誕生日。彼は数日前、仕事中に左手の人差し指の先を切り落としそうになった。彼が言うには、すぐ笛を試したところ、逆に良い音が出ると言う。夜、隊員・野中から尺八のイメージ送られてきた。今回短い尺八を使うらしい。音を聞いたら鋭い音だ。予定時刻、三味線・寿ん三、尺八と笛・野中、同じく笛の泰三と録音に関しての打ち合せ。細かいあんちょこを作って、監督から来てる映像を書き込んだ。全員・意見が一致。これで挑もうと思う。あたくしたちはそうなるってことは、宇宙がそれを望んでるからと都合良く解釈して挑むことが多い。これはZakさんとこで録音したときに感じ取った。そもそもレコーディングとはその時の記録であるからおもしろいのだと思う。なので、「ここにいる。」に入る切腹ピストルズの音、特に笛の左手の人差し指の音だけは、神経が集中し苦痛とせめぎ合いの音であり、本編に何かを滲ませるはず。ヒルの血だけじゃなくて。そういえば、数日前、志むらが消防団の会合で、泥酔してめちゃくちゃだったらしい。こいつは前作「生きている。」の映画見終わってしばらくは、きーくんに影響されて、酒の席で酔っ払うと「おまえら、生きてるのかよ!生きてんのかよ!」と絡んでたが、「ここにいる。」に関しては、まだ本編を見てないから、ただ泥酔で終わったのだろう(笑)奴、映画見たあと、めんどくせーだろうなぁ。
●6月30日(金)
ずーっと作り物で、今朝寝る頃にはうっすら明るい。蚊帳に入って俺寝たはずと思ったら、朝、息子が玄関で怪我して家族が大騒ぎ。ちょっと前も娘が顔面から転んで前歯血だらけでぐらぐらさせてた。結果問題無かったから良かったが、また騒がしいなぁ。午前中、監督んちでは森下&祐太でエアコン取り付け完了したのかな?小雨の中、タッキーは玉ねぎ作業をしてた。電話が多い日、急な題字の依頼が押し寄せて、同時に5つの作業をやってみる。そのうち2つは洗濯と洗い物だがね。西方キャッツアイ☆めぐは、撮影時使ったシルクスクリーン返送するか太一に電話してる。いつもタメ口なのに、制作班気分なのか開口一番敬語で話し始めたものだか、最後まで敬語になってた。人間とは滑稽なものだ。夜、村門邸で、祐太、タッキー、泰三が内職してくれてる。明日は録音。監督も一緒に行くっていうから丁度良い。江戸部屋7時半出発予定だ。
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